この記事で学べること
本記事を理解することで、それぞれの違いや化粧品と医薬部外品の製造の利点や流れについて理解できるようになるので、ぜひ最後までお読みください。
まず医薬部外品と化粧品の違いについて解説します。
医薬部外品は、薬機法に基づき、特定の成分を含む製品で、厚生労働省の承認が必要です。
化粧品は、美化や保湿などの目的で使用され、承認は不要ですが、成分表示や安全性基準を満たす必要があります。
以下の表に、医薬部外品と化粧品の違いをまとめました。
項目 | 医薬部外品 | 化粧品 |
---|---|---|
定義 | 医薬品と化粧品の中間に位置し、特定の効果・効能を持つ成分を含む製品。薬機法により定義されている。 | 人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、健康を保つ目的で使用される製品。薬機法に基づき定義されている。 |
効能 | 厚生労働省が認めた効果・効能を持つ成分を含み、フケ防止、育毛、ニキビ予防、美白など。 | 美化や保湿などの目的で使用され、効果効能は謳えない。 |
表示 | 効果・効能を表示・広告することが可能。内容は厚生労働省により規定されている。 | 「薬用」「治療」「予防」などの医薬品的な効果を謳うことはできない。穏やかな表現に留める必要がある。 |
承認 | 製造販売には厚生労働省の承認が必要。効能や安全性に関するデータを提出する必要がある。 | 製造販売には医薬部外品ほど厳しい承認は不要だが、成分表示や安全性に関する基準を満たす必要がある。 |
このように医薬部外品と化粧品には多くの違いがあることが分かります。
医薬部外品(化粧品)OEM開発とは、OEMメーカーが特定のブランドの製品を製造することを指します。
医薬部外品は特定の効果効能が認められており、通常の化粧品よりも規制が厳しいため、製造には厚生労働省の承認が必要です。OEMメーカーはこれらの規制を遵守し、高い安全性と品質を保証する製品を提供します。
また、ブランド独自の製品開発が可能であり、専門知識と経験を活かしてクライアントのニーズに応じた製品を作成します。OEM開発により、初期投資を抑えながら高品質な製品の提供が実現します。
医薬部外品OEMの利点は、まず初期投資を抑えられるため、コスト削減が可能です。また専門知識や設備が不要で、製品開発のスピードが速いことが挙げられます。OEMメーカーの高度な技術力と品質管理により、高品質かつ効果的な製品が提供されます。
規制を遵守した製品が作れるため、信頼性が高く、市場での競争力が向上します。これにより、ブランド独自の高品質な製品を迅速に市場に投入できます。 以下、OEMの利点について詳しく紹介します。
OEMメーカーは、化粧品や医薬部外品の開発に必要な専門知識と技術を持っています。これにより、自社で一から研究開発を行うよりも高品質な製品を効率的に作ることができます。
自社で製造設備を整えることは多大なコストがかかります。OEMを利用することで、初期投資や設備維持費を削減し、コストを効率的に抑えることができます。
OEMメーカーは製造プロセスが整っており、迅速に製品を市場に投入することができます。特に市場動向が変わりやすい化粧品業界では、スピードが重要です。
医薬部外品は薬機法などの厳しい規制があり、製造や販売に関する知識が必要です。OEMメーカーはこれらの規制に精通しています。
OEMメーカーは高い品質管理基準を持ち、安定した品質の製品を提供することができます。これにより、消費者の信頼を得ることができます。
OEMを活用することで、自社の製品ラインを多様化し、幅広い顧客ニーズに応えることが可能です。新しい成分や技術を取り入れた製品開発も容易になります。
自社のリソースを製造以外のマーケティングや販売戦略に集中させることができ、事業全体の効率を向上させることができます。
では次に適切なOEMメーカーをどのように選べば良いのか紹介します。
化粧品および医薬部外品のOEMメーカーを選ぶ際のポイントを詳しく説明します。以下のポイントを考慮することで、適切なOEMメーカーを選定し、製品の品質と市場競争力を高めることができます。
過去に成功したプロジェクトや有名ブランドとの取引実績を確認しましょう。実績が豊富なメーカーは、信頼性が高く、品質管理もしっかりしています。また化粧品や医薬部外品の製造に特化した経験があるかどうかを確認しましょう。特定の製品分野に強みがあるメーカーを選ぶと、専門知識を活かした製品開発が可能です。
最新の技術を持っているか、独自の技術を開発しているかを確認しましょう。技術力が高いメーカーは、高品質な製品を提供できます。製造設備が充実しているか、最新の設備を導入しているかも確認しましょう。設備が充実していると、製品の品質安定性の向上が期待できます。
ISO9001などの国際規格に準拠した品質管理システムを導入しているか確認しましょう。品質管理がしっかりしているメーカーは、安定した製品品質を提供できます。原料の受け入れから製品出荷までの検査体制が整っているかも確認しましょう。特に医薬部外品では、厳格な品質管理が求められます。
新しい成分や処方を開発する力があるかどうかを確認しましょう。市場のトレンドに応じた製品開発ができるメーカーは強みとなります。迅速な対応が可能なメーカーは、スムーズなプロジェクト進行に貢献します。
見積もりを比較し、コストパフォーマンスが高いかを確認しましょう。安価すぎる場合は品質に問題がないか注意が必要です。納期が守れるかどうかを確認しましょう。納期を守れないメーカーは、ビジネスに支障をきたす可能性があります。
薬機法や関連法規に精通しているか確認しましょう。特に医薬部外品では、法規制への対応が重要です。例えば、ISO22716(化粧品のGMP)を取得していると、信頼性が高まります。
開発から製造、販売までの各ステージで技術サポートを提供できるかを確認しましょう。問題が発生した際の対応力が重要です。
これらの項目を確認することで適切なOEMメーカーを選ぶ可能性が高まります。
化粧品と医薬部外品はOEM開発において一部異なるステップをたどります。
項目 | 化粧品のOEM開発 | 医薬部外品のOEM開発 |
---|---|---|
1.企画・コンセプト立案 | ・製品コンセプトの決定 ・ターゲット市場の調査 ・成分や機能の決定 |
・製品コンセプトの決定 ・ターゲット市場の調査 ・有効成分や効能の決定 |
2.OEMメーカー選定 | ・仕様に合ったOEMメーカーを選定 ・見積もり依頼と比較 |
・仕様に合ったOEMメーカーを選定 ・見積もり依頼と比較 |
3.打ち合わせ | ・製品の処方設計 ・パッケージデザインの決定 |
・製品の処方設計 ・パッケージデザインの決定 |
4.試作品製造 | ・試作品の製造 ・サンプルの評価とフィードバック ・必要に応じた処方の改良 |
・試作品の製造 ・サンプルの評価とフィードバック ・必要に応じた処方の改良 |
5.製品テスト | ・安全性試験(皮膚刺激性試験など) ・安定性試験 ・使用感テスト |
・安全性試験(皮膚刺激性試験など) ・安定性試験 ・使用感テスト ・有効性試験 |
6.承認申請 | ・該当なし | ・厚生労働省への承認申請 ・承認に必要な資料の提出(試験データ、成分情報など) ・承認取得 |
7.製造契約 | ・契約内容の最終確認 ・製造契約の締結 |
・契約内容の最終確認 ・製造契約の締結 |
8.製造 | ・本製品の製造 ・製造ラインの確保 |
・本製品の製造 ・製造ラインの確保 |
9.品質管理 | ・各種品質検査(微生物検査、物理化学的試験など) ・出荷前検査 |
・各種品質検査(微生物検査、物理化学的試験など) ・出荷前検査 |
10.包装・ラベリング | ・パッケージング ・ラベル貼り |
・パッケージング ・ラベル貼り |
11.出荷・納品 | ・出荷準備 ・指定納品先への配送 |
・出荷準備 ・指定納品先への配送 |
医薬部外品は製品テストで有効性試験があり、承認のステップで厚生労働省の承認が必要となる点に注意が必要です。
医薬部外品や化粧品のOEMでよくある質問を紹介します。
化粧品や医薬部外品の製造および販売に関する許可は、主に薬機法(旧薬事法)によって規定されています。化粧品および医薬部外品の許可に関する情報を表でまとめました。
項目 | 化粧品 | 医薬部外品 |
---|---|---|
製造販売業許可 | 化粧品製造販売業許可が必要 | 医薬部外品製造販売業許可が必要 |
製造業許可 | 化粧品製造業許可が必要 | 医薬部外品製造業許可が必要 |
届出/承認 | 製造販売届出が必要 | 製造販売承認書と厚生労働省の承認が必要 |
品質管理責任者 | 必要 | 必要 |
安全管理責任者 | 必要 | 必要 |
設備・施設要件 | 適切な衛生管理および製造プロセス管理が必要 | 適切な衛生管理および製造プロセス管理が必要 |
文書および記録の整備 | 必要 | 必要 |
それぞれ別の許可が必要となる点に注意しましょう。
化粧品と医薬部外品のOEM 製造では、費用面で重要な違いがあります。両者に共通する費用には、原料費、容器・包装材料費、製造費などがあります。一方、医薬部外品には申請費用や開発試験のデータ作成費など、特有の費用が発生します。医薬部外品は化粧品と比べて、開発期間が長く費用も高くなる傾向があります。また、最小ロット数が多くなりがちで、初期投資が大きくなることも。品質管理や表示関連の費用も、化粧品よりも高めになる可能性があります。
ただし、医薬部外品には「薬用」という表現が使えるなど、マーケティング面での利点もあります。これらの費用面での違いを理解した上で、ブランド戦略に合わせた選択が必要です。
本記事では、医薬部外品や化粧品におけるOEMの基礎から開発プロセスまで詳しく解説しました。 解説した中でも、重要なポイントを最後に記載していきます。
当記事を通して、医薬部外品や化粧品のOEM開発についての全体像を理解する参考になれば幸いです。
山田製薬は110年以上医薬品、化粧品のOEM/ODMに取り組み、多数のプロフェッショナル向け頭髪化粧品の開発・製造・販売をしてきました。
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