アウトバストリートメントは、ヘアケア市場で急速に注目を集めている製品カテゴリーです。
洗い流す必要がなく、手軽に髪にうるおいを与えるこの製品は、消費者のニーズに合わせて進化を続けています。本記事では、アウトバストリートメントの基本情報から市場動向、OEM開発のプロセスまで、幅広く解説します。
ブランド拡大や新規市場参入を検討している企業の方々に、アウトバストリートメントOEMのメリットとデメリットを詳しく紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
アウトバストリートメントは、洗い流さないタイプのヘアトリートメントです。シャンプー後のタオルドライした髪や乾いた髪に使用し、髪の表面を保護補修します。お風呂の外で使用することから「アウトバス」と呼ばれ、インバストリートメントとは異なり洗い流す必要がありません。髪の乾燥を防ぎ、ツヤを与えるだけでなく、ドライヤーやヘアアイロンなどの刺激からも髪を守る役割を果たします。
アウトバストリートメントには、主に、以下の4つの種類があります。
それぞれのタイプは異なる特徴を持ち、求める仕上がりに応じて選択することが重要です。オイル、ミルク、クリーム、ミストの各タイプは、それぞれ独自の利点を持ち、様々なヘアケアニーズに対応しています。以下では、各タイプの特徴と適した使用シーンについて詳しく説明します。
オイルタイプのアウトバストリートメントは、髪をしっとりとまとめ、ツヤ感を向上させます。
油分量が多いため、パサついた髪にも浸透し、効果的な保湿ケアが可能です。特にパーマやカラーリングによるヘアダメージが気になる方や、タイトなヘアアレンジを楽しみたい方におすすめです。また、外部の刺激から髪を守り、毎日アイロンやコテを使用する方にも適しています。
ミルクタイプは、サラッとした軽やかな使用感が特徴で、髪に重さを感じさせずに使用できます。
水分と油分のバランスが良く、細い髪や毛量が少ない方でも髪のボリュームを損なうことなく使えます。髪が細く毛量が少ない方や、オイルやクリームタイプでは重すぎると感じる方におすすめです。適度な保湿と軽い仕上がりを求める方に適したタイプです。
クリームタイプは、ミルクタイプよりも油分量が多いのが特徴です。
髪をしっかりとコーティングし、硬めの髪質でもサラサラな指通りに整えることができます。特に髪質が硬く、毛先を中心に広がりやすい方や、寝る前の保湿ケアアイテムとして使用したい方におすすめです。ミルクとオイルの中間的な程よい重さを求める方に適しています。
ミストタイプは、手軽に使用できる点が最大の特徴です。髪全体に均一に塗布でき、軽い使用感で髪の質感を変えることなく使用できます。
特に朝の寝ぐせ直しや、こまめなケアを行いたい方におすすめです。また、ドライヤーの熱に反応して髪を補修する製品もあります。他のタイプと併用することで、より効果的なヘアケアが可能です。
アウトバストリートメント市場は、消費者のヘアケア意識の高まりと共に急速に成長しています。特に、コロナ禍での「おうち時間」の増加や「おこもり美容」ニーズの拡大により、中価格帯から高価格帯の製品が好調です。OEM市場においても、ブランドの世界観や使用感を重視する新興ブランドの台頭が顕著であり、従来の大手メーカーとは異なる特徴的な製品開発が求められています。
需要や今後の展望を見ていきましょう。
ドラッグストアにおけるアウトバストリートメントの需要は着実に拡大しています。
従来は1,000円以下の商品が主流でしたが、最近では1,500円から3,000円台の中価格帯製品が増加傾向にあります。消費者は効果や仕上がりに納得できれば、多少価格が高くても購入する傾向にあります。特に、ダメージケアや使用感の良さを訴求した製品が人気を集めており、OEM製品開発においてもこれらの要素を重視することが重要です。
美容サロン向けのアウトバストリートメントのOEM需要も増加傾向にあります。
サロン専売品として、高機能・高付加価値な製品が求められており、特に、ブリーチやカラーリングによるダメージケアを謳った製品や、サロンでの施術を持続させるためのホームケア製品としてのアウトバストリートメントが注目されています。OEM開発においては、美容師の意見を取り入れた製品設計や、サロンならではの高級感あるパッケージデザインが大切です。
アウトバストリートメントのOEM市場は今後も成長が見込まれています。
頭皮ケアに特化した製品や、環境に配慮したサステナブルな製品など、新たな切り口での商品開発も期待されています。OEMメーカーには、市場トレンドを的確に捉えつつ、独自性のある製品を提案する力が求められるでしょう。今後は、デジタル技術を活用したパーソナライズ製品や、エシカル消費に対応した製品開発が市場を牽引していくと予想されます。
アウトバストリートメントのOEM開発は、企画立案から品質管理まで複数の段階を経て行われ、各段階で専門知識と経験を持つスタッフが連携し、要望に沿った高品質な製品を生み出します。この章では、以下の主要な4つのプロセスを解説します。
それぞれ、見ていきましょう。
企画立案段階では、依頼側とOEMメーカーが密接に協力し、製品のコンセプトや目標を明確にし、ターゲット市場、製品の特徴、価格帯、販売チャネルなどの不可欠な要素を決定します。また、使用感、剤型、成分、香りなどの具体的な製品仕様についても話し合います。この段階で、市場トレンドや消費者ニーズを考慮しながら、差別化戦略を立てることが肝要です。
処方設計では、企画立案で決定した製品コンセプトに基づいて、具体的な成分配合を決定します。経験豊富な研究員がクライアント専用の処方を開発し、効果的な成分の組み合わせを探ります。アウトバストリートメントの場合、ダメージケアや使用感の良さを重視した成分選びが鍵です。また、製品の特徴を出す工夫も行います。
試作品開発段階では、処方設計に基づいて実際の製品サンプルを作成します。この段階で、使用感を確認するための様々な評価方法が用いられます。毛束試験やウィッグ試験などを通じて、製品の性能が要望に沿っているか確認し、フィードバックを基に、依頼側が納得するまで何度でも改良を重ねていく工程です。この過程を通じて、最適な製品が完成に近づいていきます。
品質管理は製品の安全性を保証する極めて大切な段階です。化粧品の製造品質管理基準であるGMP規格(ISO22716)に基づく工程の標準化や、国際的に認められた抜き取り検査基準であるANSI/ASQC Z1.4規格に基づく検査など、厳格な品質管理システムが導入されています。これらのシステムにより、原材料、資材、最終製品のすべてを厳しい条件でチェックし、安全で高品質な製品のみが出荷されます。また、継続的な品質モニタリングを行い、製品の一貫性と安全性を確保します。
自社ブランドの拡大や市場競争力の強化を目指す企業にとって、OEMを活用することにより迅速な市場参入と効率的な事業展開が可能になります。以下から、アウトバストリートメントをOEMで行う具体的なメリットを解説します。
アウトバストリートメントをOEMで製造することで、自社の商品ラインナップを効率的に拡充できるでしょう。OEM製造では、既存の設備や技術を活用できるため、新製品の開発から市場投入までの期間を大幅に短縮できます。これにより、顧客ニーズの変化や市場トレンドに素早く対応し、多様な製品を提供することが可能になります。
また、異なるOEMメーカーを利用することで、様々な特徴を持つアウトバストリートメントを展開し、幅広い顧客層にアプローチできるでしょう。結果として、ブランドの認知度向上や売上増加につながる可能性が高まります。
OEMを活用することで、自社のこだわりや想いを反映した高品質なアウトバストリートメントを開発できます。OEMメーカーの専門知識や最新の製造技術を活用しつつ、自社の理念や顧客ニーズに基づいた製品設計が可能です。こだわりや想いを反映した商品開発をするためにもOEMメーカーの選定が重要となります。
OEMメーカーが要望をしっかりヒアリングしてくれるのか、実績はあるのかなどをしっかりとリサーチする必要があります。
OEM製造では、その分野の専門家の知識とノウハウを最大限に活用できます。OEMメーカーは、原料の選定から製造プロセス、品質管理に至るまで、豊富な経験と専門知識を有しています。その道のプロと協力することで、最新の技術や市場動向を取り入れた革新的な製品開発が可能です。
また、規制対応や安全性評価などの複雑な課題も、OEMメーカーのサポートを受けながら効率的に解決できます。
アウトバストリートメントのOEM製造には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。デメリットを理解し、適切に対処することが、成功したOEM製品開発につながるでしょう。以下では、OEMで商品開発製造を行うデメリットについて詳しく説明します。
OEM製造を選択すると、製品の開発や製造プロセスの大部分をOEMメーカーに委託することになります。そのため、製造に関する技術やノウハウが自社内に蓄積されにくいでしょう。将来的にもOEMメーカーへ委託し続けるのであれば問題視する必要はありませんが、将来的に自社製造する予定であれば、必要な知識や経験が不足しているため、スムーズな移行が難しくなる可能性があります。
OEM製造では、製品の品質や納期がOEMメーカーの能力に大きく依存します。OEMメーカーの生産能力や品質管理体制が不十分な場合、製品の品質低下や納期遅延などのリスクが生じる可能性があります。また、OEMメーカーの都合により急な生産中止や仕様変更を余儀なくされる場合もあるでしょう。このような状況は、自社ブランドの信頼性や市場での競争力に大きな影響を与える可能性があるため、OEMメーカーの選定と継続的な関係構築が重要となります。
アウトバストリートメントの効果的な販売戦略には、他のヘアケア製品との連携を考慮することが不可欠です。
シャンプーやヘアトリートメントとの相性を慎重に検討し、包括的なトータルヘアケアラインを構築することで、顧客満足度を向上させ、リピート購入を促進できるでしょう。さらに、OEM製品開発においては、相互補完的な製品ラインナップを提案することにより、クライアントの差別化戦略を効果的にサポートし、ビジネスの持続的な成長に寄与することが可能です。
具体的に解説していきます。
アウトバストリートメントとシャンプーの相性は、製品開発において不可欠な要素です。例えば、シリコンフリーのシャンプーと組み合わせる場合、アウトバストリートメントで適度な油分を補給し、髪のまとまりを向上させる処方設計が効果的です。また、ダメージケア成分を含むシャンプーと同様の成分を含むアウトバストリートメントを開発することで、相乗効果を訴求できます。
OEM製品開発では、既存シャンプーラインとの相性を慎重に考慮し、包括的なトータルヘアケアソリューションを考案することで売上拡大などを狙うことが可能となるでしょう。
ヘアトリートメントとアウトバストリートメントの使い分けを明確にすることで、製品ラインナップの価値を最大化できます。ヘアトリートメントは主に髪の内部補修を担当し、アウトバストリートメントは外部保護と仕上げを担当するという役割分担を明確に示すことが効果的です。OEM製品開発では、週1-2回のヘアトリートメント使用と毎日のアウトバストリートメント使用を推奨するなど、具体的な使用方法を考案することで、両製品の需要を促進できます。
さらに、髪質や季節に合わせて、両者のバランスを最適化できる製品ラインナップを提案することも、消費者満足度を高める上で有効な戦略となるでしょう。
アウトバストリートメントの製品を追加開発することで、より包括的なトータルヘアケアラインを構築できます。シャンプーとヘアトリートメントに加え、アウトバストリートメントを導入することで、髪のケアサイクルを完成させることができます。同一ブランドの製品を使用することで、成分の相性が良く、一貫したケアが可能になり、顧客満足度の向上が叶うでしょう。
アウトバストリートメントを追加することは、ブランドの競争力強化と顧客ニーズへの包括的な対応において不可欠な戦略です。結果として、消費者の長期的な支持を獲得し、ブランド価値の向上につながることが期待できます。
アウトバストリートメントは、洗い流す必要のないヘアケア製品として市場で注目を集めています。本記事では、アウトバストリートメントの基本情報から市場動向、開発プロセス、OEMのメリット・デメリット、販売戦略とアウトバストリートメントのOEMに関して解説しました。
アウトバストリートメントの開発に興味がある企業の皆様、まずはOEMメーカーへ相談してみましょう。OEM開発は市場ニーズへの迅速な対応、ブランド拡大、新規市場参入を目指す企業にとって効果的な戦略です。
OEMメーカーとの対話を通じて、自社のビジョンを実現する第一歩を踏み出してみましょう。
山田製薬は110年以上、医薬品や化粧品のOEM/ODMに携わってきた化粧品ODMメーカーです。ヘアケアとスキンケアに特化しており、アウトバストリートメントの開発においても豊富な経験と高い技術力を誇ります。
アウトバストリートメントの開発では、お客様のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。毛髪の構造観察や物性測定によるエビデンス取得、最新の技術を活用した処方設計など、製品の企画開発からアフターフォローまで一貫したサポート体制を整えています。
お客様のブランド拡大や新規市場参入をサポートする山田製薬に、ぜひアウトバストリートメントのOEM/ODMをご相談ください。豊富な経験と技術力で、お客様の理想の製品開発を実現いたします。また、厳格な品質管理システムと各種ライセンスの取得、さらに環境に配慮した製品開発にも力を入れています。